いざ大規模な地震に、津波に襲われたら頭の中は真っ白になり、足は動かなくなり、その場で時間が過ぎるのをただ祈ることしかできないのが普通なのです。
でも、だからこそ事前にどのようなことが起こりえるのか想定して、備えることが大切です。
そこで、今回は災害時によくある人間の思考と、被災後の主な流れについてご紹介します。
災害時は「正常性バイアス」で避難が遅れがちに
人は、周囲が大変な状態に陥っていても、「自分は大丈夫(だろう)」「きっと、大したことにはならない(はず)」と状況を過小評価しがちです。
これを「正常性バイアス」と呼びます。
自らの心を落ち着けようとする心理作用が働いているわけですが、大規模な災害時に正常性バイアスが働いてしまうと迅速な避難行動が取れなくなり危険です。

災害時は正常性バイアスが働く、まずはこのことを理解してください!
災害時に逃げない・避難しない人によくある心理
「今までも大丈夫だったから……」

今回も大丈夫とは限りません。
災害にひとつとして全く同じものはありません。今まで大丈夫だったとしても、今回は、次はもしかしたら大丈夫じゃないかもしれないのです。
「みんな逃げていないし……」

周りのせいにしても、誰も責任を取ってはくれません。
周りの行動はひとつの判断基準にはなりますが、あくまで最終判断は自分です。誰も責任を取ってはくれないので、自らの身は自分で守りましょう。
「避難して無駄だったら……」

何もなくてよかった、とは思いませんか。
結果的に被害はでず、避難し損になることもあるでしょう。でも、それは結果論。何かあってからでは遅いので、避難した自分を褒めてあげてください。
「逃げるのは恥ずかしい……」

見えをはってまで、命を危険にさらしたいですか。
「真っ先に逃げたら、笑われるかも」と避難をためらう方もいるでしょう。でも、その見えは、命を危険にさらしてまで守るほどのものではないはずです。
被災時に起こりえることを時系列順にイメージする
災害状況:冬の午前9時に大規模地震が発生
- 災害発生
- ・電気 / ガス / 水道などのライフラインが停止する
- 発生直後
- ・室内に閉じ込められる
・情報がまったく得られない
・誰とも連絡が取れなくなる
- 数十分〜数時間後
- ・喉が渇いても水が出ない
・トイレに行きたくても使えない
- 半日後
- ・お腹が空いても食料がない
・電気が使えなくてあたりは暗くなる
・スマートフォンの充電が切れる
・冷暖房もなくて夜は冷えこむ
- 翌日以降
- ・栄養不足により体調不良を起こす
・冷蔵庫の中のものが腐りはじめる
・ストレスで行動に異常がではじめる
・トイレや入浴などできず衛生環境が悪化する
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ライフラインが復旧するまでの目安

- 電気:7日目
- 携帯電話:20日目
- 上下水道:30日目
- ガス:30日目
南海トラフ地震では1週間で9,600万食、首都直下地震では3,400万食が不足する予想。
万が一のとき自らの身を、家族を守れるのは自分だけなので、日頃から物資を備蓄しておき、災害時には迅速に対処できるようシミュレーションしておくことをおすすめします。
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