昨今、大規模災害時には避難所が不足するのではないか、と指摘されています。
避難=避難所としか思っていないと、いざというとき避難先に困ることになるかも……。
そのため国や自治体では、避難所以外の選択肢も視野に入れた「分散避難」を推奨しています。
そこで、今回は被災時に考えられる避難方法と、その特徴についてまとめてみました。
分散避難とは?
分散避難とは避難所だけでなく自宅、親戚や知人の家、車の中、宿泊施設など避難生活の拠点を分散させることです。大規模災害時に備えて、国や政府もこの分散避難を推奨しています。
ただし、避難先にはそれぞれメリット・デメリットがあり、個人それぞれの体質や性格などでも向き・不向きがあるので、自分や家族に合った避難方法を選ぶようにしましょう。
避難方法の種類と特徴
在宅避難
災害によって室内が荒れているかもしれませんが、自宅の安全(倒壊、火災などの危険がない)が確認できているのであれば、そのまま自宅で生活する在宅避難をおすすめします。
とくに高齢者や子どもがいたり、ペットを飼っている家庭は、大勢の避難者が集まる避難所では生活しづらいので、可能な限り在宅避難できる準備を備えておくこといいでしょう。
避難所

災害時、自宅の倒壊や火災などによって在宅避難が難しい被災者を一時的に受け入れ、保護するのが避難所です。とくに市区町村が指定している場所を「指定避難所」と呼びます。
基本的に避難所はその地域の方を対象に設置されるものではありますが、外出先で被災したときや、地域の避難所が満員のときなどは、地域外の避難所を利用することも可能です。

地域の避難所の場所は把握しておいてください。
親戚・知人の家(縁故避難)
災害の被害がない、または少ない地域に、快く受け入れてくれる親戚や知人がいるのであれば、その親戚宅や知人宅を避難先(縁故避難)として検討するのもいいでしょう。
そのためには、離れた地域にいる仲のいい親戚、知人と事前に避難方法について話し合い、万が一のときには互いにすぐに連絡をとり、避難できる環境づくりをしておきます。
ホテルや旅館など宿泊施設

新しい避難方法として注目を集めているのが、ホテルや旅館などの宿泊施設。個室(プライベート)を確保できる上に、行政指定の宿泊施設であれば料金の補助も受けられるのが特徴です。
ただし、行政指定の施設では基本的に要配慮者(高齢者や障がい者、経産婦など)が優先されますし、だからと行政指定外の施設を利用すると通常の宿泊料金がかかるので注意しましょう。
参照:内閣府「災害時におけるホテル・旅館の避難所としての活用について」
避難方法を決める流れ
自宅で被災した場合
自宅で被災したら、まず身の安全を確保してから避難方法を考えましょう。
- 自宅に被害はない?
- 被災時、自宅に被害がない、ほぼないのであれば在宅避難しても大丈夫です。
- 安全な地域に頼れる親戚・知人宅はある?
- 在宅避難が難しいとして、安全な地域に頼れる親戚・知人宅があるのなら、その親戚宅や知人宅を避難先(縁故避難)として検討しましょう。
- 費用がかかっても静かに過ごしたい?
- 多少の費用がかかったとしても、周りの目を気にせずゆっくりと過ごしたいのであれば、ホテルや旅館などの宿泊施設で過ごす選択肢もあります。
- 周りにほかの人がいる方が安心できる?
- ひとり暮らしの学生、高齢者のように近くに頼れる親戚・知人がいないときは、周りにほかの人がいる避難所の方がむしろ安心できる場合もあります。
- 費用ないけどプライバシーも確保したい?
- 被災時、「プライバシーが保てるから」「費用もかからないし」「子どもや、ペットもいるから」などの理由で車中泊、テント泊を選択する方もいます。
自宅外で被災した場合
自宅外で被災したら、まずは自宅に戻れるまでの避難方法を決める必要があります。
- その場にとどまっても安全?
- 今いる場所や、その周辺にとどまっていても安全なのであればそのまま状態が落ち着くまで待機、危険なのであればすぐ近くの避難所に一時避難しましょう。
- 自宅にすぐ帰れるような状況?
- 災害直後は交通機関が混乱します。安全に!が前提ですが、徒歩で帰宅できる範囲に自宅がある場合は帰宅、そうでないなら避難所に一時避難してください。
- 自宅も被災してしばらく帰れない?
- 自宅に被害がない、少ないのであれば状況が落ち着いたら帰宅しても大丈夫です。一方、自宅も大きな被害を受けたのであればほかの避難方法を検討します。
まずは在宅避難に備えておこう!
避難所や縁故避難、宿泊施設など避難方法はいくつもあるわけですが、それでも安心できるのはやはり我が家。可能な限り在宅避難できるよう、備蓄や家具の固定など日頃から備えておきましょう。

在宅避難が難しいときは、迷わずほかの場所に避難してください!
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